グレーっぽい

双極性障害&Aセク人間が、つれづれと。

沈黙のパレード

映画「沈黙のパレード」見ました。

ガリレオ初めて映画館で見たけど、これは確かに映画館で見るべき、音響的に。

 

以下ネタバレペラペラ喋ります、ご注意ください。

原作は未読ゆえ、その辺もご了承ください。

映画単体の感想となります。

 

 

 

 

沈黙が罪になるんじゃなくて、なんらかの罪があるから沈黙している。

そうした様々な罪人たちのパレード。

 

冒頭の死んだ少女へのレクイエムでまず泣き、顔の見えない謎の踊る団体が出てきた瞬間びくっとして涙引いた。

 

木星」のメロディと歌声素晴らしかったです。映画館の音響であの歌声聞くと、鳥肌が立ちます。

あれはテレビじゃ絶対味わえないし、それだと冒頭の感傷が半減する。

 

愛情が罪を犯す、ってのが映画ガリレオシリーズの一貫したテーマだと思う。

容疑者Xは初恋で、真夏は家族愛。

今作は色んな種類の愛情が一人の少女に向けられている。登場人物多くて複雑なはずなんだけど、冒頭の演出だけでわかりやすかったです。

オリエント急行では終わらない3段構え。事実は変わらないのに、立場で事件の見え方はまったく変わる。

湯川先生の「視点を変えろ」ってのが、バチンとはまる真相でした。

少女殺しの犯人はみんなの予想通りだったし、奴を殺したのはきっぺー、使ったのは液体窒素。それは変わらないのに、視点が変わればディテールが様変わりする構成には感心しました。

少女=愛されるべき存在!ってキャラクター演出も自然と受け入れられました。まあ、死んじゃった補正で見てるから感動しちゃうんだと思うけどね。

普通あれだけ色んな人に特別可愛がられてたら、妹拗ねない?ハーレム主人公ばりの絶対愛されキャラ。

そして、彼氏役の演技が中村倫也ばりのスパダリ感。でもお前と少女!そもそもお前たちがもっとちゃんと気をつけてれば、死なんで済んだよね?って映画見終わって1番最初に思った現実。

 

両親と妹と親父の親友とかその他の善良な皆さん、真相いたたまれなさすぎん?

真相が何をもたらすのかって、容疑者Xで反省した湯川先生だけどさ、救いになったん?

未成年で妊娠してたし、恩人と思ってた人に殺されかけてたし、計画が別の愛情のための殺人に利用されたし。

一人の男だけを憎んでいられれば、もっと楽だったんじゃない?

結果的にきっぺー以外は罪軽くなったよ!では済まないと思うんだけどなあ。少なくとも、あの温かな定食屋は二度と戻らないよね。

 

もし、少女が妊娠とか関係なくあんな言動になっていったのなら、そら爆発しますわ。幼さからくるワガママだってわかっていてもね。人に向けるだけじゃないからね、愛情は。歌への気持ちも愛だからね。さらに愛する人との間には子どもも授かれなかった苦悩もあったのかなー。

 

何と言っても今回は草薙刑事。

15年前の事件の時も、めちゃくちゃ被害者家族から責められたんだろうな、ってのがよくわかって胃がズーンってなった。

被害者家族たちと話をすることを、最初から怯えてる目をしてて、また沈黙される恐怖に押し潰されそうな草薙刑事見てて苦しかった。

北村一輝のどんどん憔悴していく様は見事ですよね。どんどんリアル荒木飛呂彦顔になっていく。

湯川先生が導き出した真相は、草薙刑事の救いにはなったよね。今度は大切な友達の心を助けてあげられた。

 

内海さん、実に美しい。

 

浴衣でキャッキャしてる妹と、にこにこスマホまわしてる湯川先生が可愛かった。

もうちょい妹と湯川先生のキャッキャシーンほしかったです。